2023年03月06日 令和3年・4年度
宿泊観光産業に対する支援要望
3月6日、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重 青年部長・略称:全旅連青年部)は、和田浩一観光庁長官に対し、宿泊観光産業に対する支援要望を行った。
今後の日本にとって、宿泊産業は観光立国・地方創生の柱である。
宿文化そのものが日本のキラーコンテンツであり、宿泊観光事業者自身が自助努力することが何よりも大事であるが、自分たちだけでは実現出来ないことに対する支援を求めた。
特に、今月末で終了する資本性劣後ローンの制度の延長などをはじめとした宿泊観光産業に対する支援については強く要望した。
全旅連青年部は、政策委員会(担当副部長 塚島英太・担当委員長 渡邉利生)を中心に、新型コロナウイルスの影響を受け資金繰りに苦慮する全国47都道府県の青年部員からのヒアリングやアンケート調査をもとに、これまで関係省庁と協議を続けてきた。今回の要望活動は、その集大成であり、特に資本性劣後ローン制度の延長については業界を代表して強く関係者に要望を行った。
要望内容については、以下の通り。
【宿泊観光産業に対する支援のお願い】
1. 宿泊観光産業の地位向上に向けた取組と発信
多くの宿泊観光事業者は、コロナ禍の3年間で自信を失いつつあるとともに、また現在は、人手不足に苦しんでいる。 現在宿泊観光産業に従事する方々や、これから就職を考える若い方々に 宿泊産業で働くことの矜持を与えるためにも、我が産業に対して、国の方から「観光が我が国にとって大事である」、そして「宿泊産業が我が国の基幹産業である」という宿泊業の地位向上を目指したメッセージを力強く出していただきたい。
2. 今年度末とされている 資本性劣後ローン制度の延長
コロナの影響もあり、引き続き資金繰りに苦慮する宿泊施設については、政府には、こうした資金繰りに苦慮した事業者に支援がいきわたるようなきめの細かい金融支援を再度お願いしたい。具体的には借換え支援のためにも、今年度末までとされている日本政策金融公庫 等による資本性劣後ローンの制度の延長をお願いしたい。
3. 持続可能な地域となるような事業再生の支援
人口減少・少子高齢化の社会を迎え、さらには、消費者一人一人の嗜好が大きく変化する中では、我々宿泊産業もこうした時代の波に合わせた変革が必要であるという現実にも向き合わなければいけない。地域を守るために必要な、所有と経営の分離、事業継承・事業譲渡、事業再編等も一定必要になってくると考えるが、その際には、金融的視点による事業再生では絶対にいけないと考える。繰り返しになるが、我々は地域の文化を支える存在でもある。国の方には、まさにこうした、旅館をはじめとする我が国の宿泊産業の存在意義を深く理解して頂いた上で、そして、地域を持続可能な地域となるような事業再生の支援をお願いしたい。
4. 地域一体となった観光地・観光サービスの高付加価値化補助金の計画的・継続的な実施
国内外の旅行者に求められていくのは、全国どこでも一緒の画一的な地域ではなく、個性あふれる魅力を持った持続可能な地域であることは、間違いないと考える。そのためにも、我々が地域の中心となって、
・地域固有の伝統 / 文化 / 価値等に基づく魅力を活かした街づくり
・そして、そうして出来上がった地域が持続可能な地域となるような仕組みづくり
をしていきたい。そのためにも、 我々のこうした動きを 高付加価値化事業で 計画的・継続的に後押しして頂きたい。
5. 全国各地にある廃屋対策について
まちづくりをしていくうえで、今後絶対に向き合わなければいけない課題は、各地域に残った廃屋の処分である。地域に廃屋が存在すると、残された事業者の努力だけではカバーできない負の効果が生じてしまう。廃屋の撤去をはじめとして、これ以上廃屋を生まない仕組みづくりを行っていくことが必要であり、このためには自治体、そして何より国の力が必要であるので、今後しっかりと検討していってもらいたい。
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