全旅連青年部
青年部長挨拶

平成19年度 全旅連青年部 部長所信

「今を正しく生き 新しい時代を築く」
〜Yes we can〜
平成19・20年度部長 永山 久徳
【はじめに】〜40周年に向けて青年部の「温故創新」を〜
 昭和44年11月に誕生した全旅連青年部はもうすぐ40年の節目を迎えます。設立当時の資料を見ても、「若者らしい発想」「果敢な実行力」「業界への寄与」など現在と同じような、普遍的な言葉が並んでいます。将来の宿泊業界を支えるために青年が立ち上がらなければならないという思いは40年という歳月を経ても微塵も変わるものではありません。
 そして、この思いを実現するために、青年部はこれまでも時代に応じて手法やテーマを進化させ続けてきました。社会環境の変化を先取りするようにそのキーワードも「国際社会」「料飲税撤廃」「インターネット」「観光立国」などと移り変わり、青年部を例える表現も時代に応じて「頭脳集団」「実行部隊」「研修組織」などと変化してきました。変わらない思いを保つためには常に変化が必要なのです。
 変えてはならない原点の思いまで変えてしまう組織は「独善」であり、時代に応じて変えなければいけない事を放置する組織は「惰性」となります。原点を踏み外さずに40年間の歴史を今一度正しく振り返り、今の青年部がもっとも青年部らしくあるために新しい時代を築く「温故(創)新」の精神こそが我々に求められているものなのです。
【全旅連と全旅連青年部】〜目的達成のためにやるべきこと〜
 「全旅連青年部」の位置付けを明確に説明できる部員はそれほど多くないでしょう。全旅連青年部は各都道府県組合青年部の連合会であり、全旅連を構成する一つの独立したです。各都道府県組合とその青年部を含めると皆さんは4つの組織の関係を理解しなければなりません。しかしこの四角形は歴史上決して明快な関係ではありませんでした。例えば全旅連と全旅連青年部の間においても、特消税や選挙など業界としての総動員が必要な時は別として、平常時は互いの活動に不可侵の、さらに言えば無関心の構図がありました。
 しかし、この数年、青年部OBが役員として加わり、業界団体としての目的がより明確になった全旅連において、青年部と共に行動することは何ら不自然なことでは無くなりました。親会の委員会に青年部員も参加して勉強したり、青年部の全国大会を親会員が見学に来たりと、互いの特徴を生かしあう構図が既に生まれてきています。全旅連も全旅連青年部も業界の発展のために同じ屋根の下で活動する団体です。将来的には一つの組織の中でそれぞれの役割に特化する時代が来るでしょう。「青年部は青年部。唯我独尊であるべきだ」という意見もあるでしょうが、業界の地位向上のためには一丸となって取り組み、その中で青年部の役割を果たすという明快な組織への進化が求められているのではないでしょうか。
【各都道府県青年部と全旅連青年部】
 関係を進化させなければならないのは全旅連青年部と各都道府県青年部も同様です。各都道府県の青年部員が時間と費用、そして知恵を出し合って成立しているのがこの全旅連青年部です。従って全旅連青年部が何をなすべきかを考えるのは各都道府県部員の皆さん一人一人であり、その意見を集約して持ち寄るのは都道府県部長の役割です。そしてその情報の流れを効率的に進めるために各都道府県部長の代議員であり出向者でもある各ブロック長が存在します。
 だからこそ、全旅連青年部で話し合われる内容は各都道府県単独では成し得ない、全国組織として意味のある活動でなければなりません。それぞれの地域での活発な活動と、そこから生まれる要望が無ければ全国組織は成立しません。全国の一人一人の部員が輝くことで、それぞれの地域が、都道府県が輝くことではじめて全旅連青年部も輝きを放つことができるのです。
【今を正しく生きる】〜青年として後悔の無い2年間を〜
 私は現時点で38歳。家庭に、仕事に、そして社会に対しての責任がどんどん大きくなっていく一日一日を「正しく」生きたいと願っています。「正しく」の解釈は人それぞれでしょうが、私は今成すべきことを常に意識し、後悔しないように行動する事だと思っています。自分に限界を作らず、接するもの全てを貪欲に成長の糧とする。そしてその姿を周囲に見せ、伝えていく。それこそが「正しく」生きる出発点だと感じています。
 そのために全旅連青年部は無限とも言えるチャンスが眠っています。2年間という枠の中で部員同士が互いに磨き合う事によるスキルアップ、組織を通して知り合う可能性のある数千人の人脈、青年部で学んだことを企業や家庭に反映させることによる我々自身の基盤の強化、そして自分自身が人生に目標を持つためのヒントの数々。しかし、これらのチャンスは自らが意識して掴もうとしない限り決して自然に得られるものではありません。アンテナを高く立て、意識を高く持ち、後悔の無い2年間を送ろうではありませんか。
【新しい未来を築く】〜自身を高め、夢を未来に繋げるために〜
 この業界に携わる我々にとって「未来を築く」とはどういうことでしょう。一つは我々自身が将来の業界を背負えるだけの実力を身につける事です。互いに研鑽を積むことによって、我々は正しい信念を持った経営者にならなければなりません。そのために経営者養成機関としての青年部の研修機能はますます重要なものとなります。また、過去40年の中間決算として、これまでの研修内容や各地での取組みを集約し、未来への財産として残すことも青年部ならではの経営者支援になると考えています。
 もう一つは未来の業界人を育てることです。先輩の姿を見てこの業界に憧れを持っている子供たち、夢を持ちこの業界に就職しようとしている学生たち、親が亡くなり突然経営者となってしまった跡継ぎ、こういった人たちの不安や悩みを解消し、この業界で働く事の楽しさを伝えることができるのも、世代の架け橋であり、何らかの形で同じ悩みを体験した我々青年部世代の責任であろうと考えます。青年部はこの文章を読んでくださる皆さんのものであると同時に、何も知らずに部員になったばかりの人や将来業界に入ってくる人のためのものでもあるのです。
 我々自身が夢をもつための研修と夢を繋げるためのアプローチ。そも両方が機能して初めて未来を語ることができるのではないでしょうか。そして業界内でその可能性を持っているのはこの青年部だけなのです。
【今後の方針】
  1. 「青年部にしかできないこと」を強化するために
    • 最新の経営課題、成功事例の調査研究
    • 過去から現在に渡る地域活動、経営課題のデータベース構築
  2. 「姿の見える業界活動」のために
    • パブリシティの有効活用
    • 全国展開活動の継続(こども110番の宿など)
    • 旅館ホテルへの就職支援活動
  3. 全旅連との関係を強化し、「強い業界」をつくる
    • 政策課題の共通化と協働
    • 事業、財政面の効率化へ向けた協議
  4. より姿の見える全旅連青年部を目指して
    • 諸行事の地方開催の重視
    • 出向者間の交流の活発化
    • 時代に合わせたコンパクトな全国大会の開催
    • 40周年記念行事の開催
【おわりに】〜「責任世代」として今なすべきことを実行しよう〜
 我々はいわゆる「責任世代」です。業界の将来を担うために集った我々が、この世代で成さねばならないことを今一度自分自身に問いかけましょう。企業人として、地域人として、家庭人として、そして青年部員として何をインプットし、何をアウトプットしなければならないかを。
 そして人生の目標を再認識してみましょう。自分はどんな人間になりたいか、どんな人生を歩みたいか、そしてその目標を達成するために10年後には、1年後には、と問いかけ、今日は何すべきかを考えましょう。目標のために今を「正しく生きる」事の価値が見えてくるはずです。そう考える上で青年部という組織は我々にとってとても魅力的なステージとなるでしょう。
 この業界の発展のために、一人ひとりがますます元気になるために、私も一人の青年部員として与えられた時間に責任を持って精一杯努力いたします。志を高く持ち、同じ時代を生きる者として2年間力を合わせて楽しく頑張っていきましょう!
今だからこそできることを 〜Yes we can〜