青年部長挨拶令和3・4年度部長 星 永重

令和3・4年度部長 星 永重

「観光を日本の基幹産業に」〜Keep Trying〜

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により観光宿泊業を取り巻く環境は非常に厳しい状況下にあります。本来であれば、東京オリンピック・パラリンピックの開催を迎えインバウンド需要も大きく成長していたのであろう昨年、この未曾有の危機をどのように乗り越えるかを模索する日々が続いております。
我々、全旅連青年部はその状況下でも、業界、ひいては日本経済復興におけるトップランナーとして活動してきたと自負しております。これは、まさに組織発足当初から現在まで先人が築き上げてきた全旅連青年部の強靭な意志と行動力を組織全体で体現してきた結果に他なりません。そのような活動を通し、コロナからの復興元年と呼べる期に部長を拝命するにあたり、その責任を全うし、青年部を更なる高みへと昇華させたいと奮い立つ思いでおります。
頼まれごとには二つ返事で「やります」と、厳しい道を選ぶ先輩方の凛々しい姿に憧れを抱き、それを自身でも体現する中で他ではできない経験を積ませていただきました。
また、先輩方には将来へ繋がるポテンシャルを見出していただいたことに感謝しかありません。今後は、受け継いだ意志を若い世代へ繋ぐために邁進してまいります。
このような経験をひとりでも多くの全国の青年部員と共有し、期を通して先人の部長、部員の皆様が築き上げた意志を継承することで、さらに強靭な組織となり名実ともに観光宿泊業を日本の基幹産業へ導くと強く信じています。その信念のもと、今までに青年部で経験させていただいたことを先の2年間に最大限に活かし、当業界が日本経済復興の要となれるよう精進することを誓います。

【〜5つの方針〜】

1.基幹産業として日本経済を牽引する政策提言

新型コロナウイルス感染症拡大という前代未聞の惨事に直面し、時代錯誤な旅館業法により徹底した感染拡大防止策を図ることが困難であること、装置産業であるが故のキャッシュフロー問題や雇用問題など、この業界が抱える大きなリスクと、課題が浮き彫りになったと痛感しています。
しかしながら、課題が多いということは伸び代が多く、業界全体の現状把握と、国や地方行政との連携をさらに強めることでより日本経済発展に寄与できるということです。
前期は、青年部でも様々な事業が中止となり、ここから立ち直ることは決して容易ではありません。期を超えて継続的に対応すべきことが多々あり、今後、宿泊業における政策活動の重要性は非常に高く、青年部がその中心となる活動をさらに強める必要があると考えます。
また、前期、政策担当副部長を拝命した経験として、国や地方行政とのやり取りの中で、必要とされる明確な数値データ等の提出作業において、宿泊団体最大の加盟施設数である約15000軒という数字を活かしきることの重要性を実感いたしました。今後はさらに親会施設との協力連携を青年部が中心となって図れるよう尽力いたします。
政策活動は青年部における、まさに名実ともに日本の基幹産業になっていくために非常に重要なファクターであり、青年部らしくポジティブで多様な政策提案を展開してまいります。

2.自立した組織体制の強化

現在、後継者不足により、喫緊の課題として取り組まなければいけない事象が青年部員の確保です。我々青年部が「青年部」であるためには、若い世代の部員を増やすという、現在でも非常に困難で厳しい道に向かい、日本の人口減少に伴う担い手減少のリスクもしっかりと把握した上で、宿泊事業に向かいたいと思わせる活動が必要不可欠で、今というタイミングだからこそ次代に青年部を繋ぐ為の意志を形にする必要があると考えます。
すなわち「若い世代に宿泊業経営者を目指す者を増やす」及び「宿泊施設に関わる者の参加」=「青年部員数の増強」です。
これは、家業である施設の次世代経営者だけに依存しない柔軟な視点で進めたいと考えています。そのためには、より財務運営や総務オペレーションのノウハウを共有する必要があると考えます。住宅宿泊事業を含む、様々な宿泊施設形態において、しっかりと大中小の規模別や設定単価別などによって宿の経営や運営はどのように行われているかなどをより深く研究把握し、個々の施設が安心して経営を行うための指標となるような情報集約をし、広報を司る委員会と連携を強めて「まずは全旅連青年部に相談しよう」という「宿泊業の駆け込み寺」であるという意識付けを業界内外に向けて行いたいと考えております。

3.流通販路における多様性の拡充とマッチングの提案

流通事業としては、前期より青年部がGoToトラベルキャンペーンにおいて提案し続けてきた「直販」を強める重要性について、またその背景を全国の部員により深く共有し、デジタルとアナログの両面をさらに研究することで自社集客における様々な方法を模索し、旅行会社等の販売を含む、より様々な選択肢を部員に提案できるようにするということが重要であると考えます。今後は、さらに様々なニーズに合わせた販路の出現も予想されます。若い世代を中心に青年部としてのアンテナを高く張り、最も適した販路バランスを全国の宿泊施設が選べるよう情報発信と提案をしてまいります。

4.雇用維持をはじめとする宿泊4団体、他業種との連携強化と事業展開

コロナ禍の中で、宿泊4団体が同じ方向を向いて業界発展のために活動することの重要性を感じております。そうすることで宿泊業界の地位向上にも寄与できると考えます。そのためには各団体にとって同様にメリットとなることの模索と提案をしていくことが必要となります。特に雇用と労働生産性向上においては、全国の青年部員の持つアイディアを幅広く集め、業界全体として必要とされる事業等をしっかりと定め協調を図ってまいります。
また、他業種との連携強化としてオンラインを活用し協定商社の皆様との意見交換の場をより多く設け、全国大会、旅館甲子園をはじめとする既存事業の更なるブラッシュアップと、新規事業実現といった双方にとってより良い事業構築を図ってまいります。

5.IT戦略時代に適した広報活動

昨今、IT技術の進歩は日々加速しております。デジタルマーケティングが主流となり小規模の企業でもより精度の高い、自力での広報・集客活動が可能となってきております。
青年部として、新しい技術やツールを駆使し業界を牽引していくことは業界発展を促進するためのきっかけとなると考えます。
青年部の若く柔軟な特性を高めて広報委員会の活動の幅を広げ、活動を周知するだけではなく、今後はさらに広報活動の研究と実証を行い全国の青年部員にフィードバックをしてまいります。

【〜結びに〜】

青年部を通して私が自信を持ってできること、やってきたことは「失敗を恐れず、諦めず挑戦し続ける」ことです。
現在という入り口で、困難と思われることが山積していたとしても、絶対に諦めずに挑戦し続け、必ず成し遂げます。その背中を全国の部員に示すことで、期を通して全国の青年部員と志を共有して青年部活動に尽力いたします。
そして、これまで全旅連青年部の紡いできた意志をより強固なものとして次の世代(未来)に繋ぐことを誓います。
この2年間において、上記に述べましたことは、必ず成すべきものだという強い意志と共に今後も業界発展のために青年部事業を成し遂げてまいります。
どうぞ、宜しくお願いいたします。

星 永重

星 永重(福島県)

第25代青年部長