これからの激動の時代を勝ち抜き、光り輝く産業として生き残るには、「誰かが成さねばならぬ事は、自身が率先して行っていく」「自己の成長が地域や業界の成長である」と、 誰もが当たり前に想い行動できる、一人一人が地域を支える礎となれる!そんな青年部を創り上げることが必要不可欠だと確信しています。
故きを温ね、新しきを創る。
良い物はより良く紡いで行き、さらに良い未来を創って行こう。
華やかに注目される宿泊観光産業の舞台の中にあったとて、
我々青年部は、その舞台をしっかりと支えることの出来る、礎として、誇り高く存在しよう。
常に青年部らしくあれ、
どんな環境や辛い状況にあっても、自分自身を偽らず、
己の信じる道を貫くことが大切です。
そこに新たな、変化や成長が訪れます。
青年部への想いと願いを込めて、上記を今期スローガンとさせて頂きました。青年部員一人一人が地域と業界の明るい未来を夢描き、高い志と強い信念を持って、全ての成長の機会を求め活動を展開していく。観光のド真ん中で活躍し、世界に誇れる宿泊観光産業を創り上げる!今まさに、全国の部員の皆様の力が必要です。他人事ではありません!責任世代としての当事者意識を常に高く持ち、全国の仲間達が一致団結して活動を展開してまいりましょう!
新型コロナの収束と円安傾向を背景にインバウンド需要が回復基調となり、昨年は訪日外国人旅行者数が過去最高を記録するなど、我々の業界はコロナ禍からの反転攻勢、力強い成長軌道に乗りつつあります。全旅連ならびに青年部の活躍も後押しとなり、国の成長戦略の柱・地方創生の切り札として、名実共に地域・国を支える基幹産業としての地位確立に向け、大きく前進している様に感じます。その一方、地方や個々の施設に目を向けますと、その多くは好況なインバウンド需要の恩恵を十分に実感できていないばかりか、それに加え、「人手(後継者)不足」「IT化の遅れ」「施設老朽化」「収益性の改善が進まない」等、早急に改善しなければならない課題を抱えており、非常に厳しい経営環境に置かれている仲間も少なくありません。
しかしながら、この課題を解決し、現状を打開するために必要な知識や情報、ノウハウや成功事例などは、青年部の中に数多く蓄積されています。言うなれば『宿屋経営、地域つくりの正解集』、それが青年部なのです。まさに今こそ!全国の仲間達の課題解決の道標となり、業界の駆け込み寺のような存在として、この情報やノウハウを、全国の青年部員は勿論のこと、親会を含むALL全旅連に必ず届けていかなければなりません。また、親組合と協働し、本年からは「温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録推進」「宿フェス」「宿サステナブルアクション」「宿の日week」等の業界の地位向上に直結する素晴らしい事業を開催し、他団体をも巻き込んだ“ALL宿泊観光産業”での活動を展開します。
そのための人材づくり、組織づくりが今、この業界に最も必要であると私は感じております。令和7・8年度では、令和5・6年度に掲げ、取り組んだ7つの基本方針の成果と課題をしっかりと振り返り、良い点は更に伸ばします。また、反省点や改善点は直ちに修正し、新たなチャレンジは勇気を持って取り組み、喫緊の課題解決に対応しつつも、5年10年後の未来を見据えた中長期視点の組織運営に注力、精励してまいります。
「時代の変化に応じた全旅連青年部の形成と次世代への継承」をテーマに、定例の会議運営の見直し(新会議モデルの創出)、時流に合わせた服装規定の策定、各会のペーパーレス化、災害時連絡体制の再整備、能登半島地震基金の対応、SDGs推進プロジェクト等に取り組んでまいりました。その結果、新会議体では要点の明確化や意見集約が進み、大幅な時間短縮を実現しました。
また、その時間を有効に活用し会議毎に青年部セミナーを開催しました。そのセミナーにおいては、いま最も会員が知りたい情報を得ることのできる自己研鑽の機会を創出することが出来ました。次年度も安定した会議運営は勿論のこと、多様化する業務形態をしっかりと見極め、風通しの良い組織づくりを目標に、各種業務の効率化や組織内の環境改善を「能動的」に提案し、組織全体の成長を継続的に支援する、まさに時流に沿った組織改革を進めてまいります。
戦略事業の柱としては、新たに研修機能を追加し、協定商社様や民間の研修企業等と連携し、「稼げる産業」を目標としたコンテンツ拡充を行ってまいります。また、宿泊観光産業独自のSDGsへの取り組みをしっかりと確立させ、関係省庁からの後援や推奨を得ながら全国に展開してまいります。
「観光のリスタートに向けて動き出す」をテーマに活動を展開し、適切な経理処理・予算執行は勿論のこと、協定商社の皆様との意見交換会や日々の情報交換に努めてまいりました。その成果として、協賛金額は過去最高額となり、新たに入会して頂いた会社数も近年最多となりました。また、新たな試みとして開催した研修セミナーでは、毎回のアンケートで把握した『いま会員の皆様が最も関心のあるテーマ』を扱うことで、参加者に喜ばれる有意義な事業となりました。
次年度は先述の活動に加え、協定商社会への新規加入も積極的に促し、まさに物心共にお支え頂けるパートナーシップ企業様と、良好かつ有益な関係性を構築してまいります。また、新たに追加された広報部門においては、「伝える広報」ではなく「伝わる広報」をテーマに、SNSや各種メディアを活用し、宿泊観光業の魅力や青年部活動、地域の課題や成功事例等、幅広く有意義な情報発信を進めてまいります。
『戮力協心〜未来を切り拓く組織の団結と、魅力発信〜』をテーマに掲げ、部員拡大・組織力強化!と青年部活動とその魅力の発信の2つを軸に活動を展開しました。「ツナガル宿の仲間!プロジェクト365」を立ち上げ、ノベルティTシャツの製作配布や、公式SNSやHP、プレスリリースやWEB等での広報活動を行ってまいりました。また、情報共有ツールLINE WORKSの活用やTV局を巻き込んだ業界広報事業、青年部全国大会の運営主管など、青年部活動への関心や組織力向上に寄与する事業が出来たものと考えております。
次年度は、組織力強化の抜本として、引き続き47都道府県との連携強化や部員拡大・組織力向上に努めるとともに、親組合への拡大事業や情報共有ネットワークの構築にも取り組んでまいります。また、「人と人とを繋ぐ架け橋」をテーマに、部員間同士の情報交換や成功事例、経営ノウハウ等を共有できる交流機会を創出し、各地域・各施設での実践力を高め、組織全体の強化に繋げてまいります。
政策渉外委員会では「宿泊観光産業の地位向上」「業界と行政の架け橋」の実現に向けた活動を展開してまいりました。「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」や「観光地・観光産業における人材不足対策事業」等の各種補助制度を実現出来た事は、大いなる成果であると感じております。また、「エスカレーター利用のマナー全国一斉啓発活動」や「地域見守りの宿」を企画運営したことにより、全国各地より温かいご声援や感謝のお声を数多く頂戴しました。 次年度も関係省庁との良好な関係性の構築は勿論のこと、「温泉文化ユネスコ無形文化遺産」登録支援や、業界が更に良くなるための各種政策活動を、全国旅館政治連盟と連携協働し、宿泊業界の政策実現部隊として活発に展開をしてまいります。そして、宿泊産業を真に応援してくれる地方議員・首長・国会議員の輩出という業界の悲願を見据え、政策人材の育成やその支援活動も推進してまいります。
労務人材委員会では「宿泊業の繁栄のために、そして未来ある若者のために、今我々がやるべきこと」をテーマに活動を展開してまいりました。業界が直面する深刻な人手不足の課題に真正面から取り組み、十分に機能していなかった「特定技能人材」受入に係る整備として、試験制度の構築やテキスト制作を手掛けるとともに、国内外における特定技能試験の実施やマッチングイベント、ジョブフェア等の開催を支援してまいりました。難航していた宿泊業技能試験センターを立て直しに貢献するとともに、宿泊観光産業で働く海外人材の受入環境の整備に大きく寄与出来たものと考えております。
また、大きな業界課題の1つである「労働生産性の向上」にも積極的に取り組み、全国対象の生産性向上セミナーや、成功事例紹介等を頻繁に行い、多くの地方施設に有益な情報を届けることが出来ました。
次年度では、「選ばれる業界」を目指し、労働条件や職場環境の改善、業務フローの見直しなど、いわゆる働き方改革の推進に取り組んでまいります。また、人材・労働力不足の解消と生産性の向上を根本から図るために、親組合を含む業界全体と連携し、包括的な対策構築を進めてまいります。
「持続可能な“Ryokan”の実現!」をテーマに、サステナブルツーリズムやSDGsの推進、販路における直販強化、地域の集客力強化・宿屋のDX等の活動を展開してまいりました。増加を続けるインバウンド対応や、地域での受入強化・促進を目的に、「インバウンドの教科書」をリニューアルし、約5,000冊を全国の施設に配布しました。インバウンド対応に関する最新の知見を取り入れたことにより、実用的な教育効果をもたらし、業界全体のレベルアップに寄与出来たと考えます。
「第二回宿観光旅博覧会〜宿フェス2024 Ryokan Festivalin Tokyo〜」「第3回宿観光旅博覧会・宿フェス2025 Sustainable Journey Expo in Tokyo」では、主管委員会として事業を取り纏め、両回共に3万人を超す来場者を記録し大成功に導きました。
次年度は、我が国の観光流通の課題であるDMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)によるマーケティングの強化、PMS(ホテル管理システム)による情報管理の高度化等を中心に取り組みます。「デジタル連携強化による地域全体での収益最大化」を目指すと共に、観光DXを推進し、様々なITツールを活用した宿泊施設等の業務効率化を図ってまいります。また、宿泊観光産業の持続可能な発展に向け、「直販」「リアル」「OTA」等の既存販路のバランスを分析・研究するとともに、「宿の日week」などの新たな販路の開拓・検証や、インバウンドの周遊・地域分散を促進する施策にも注力し、様々な可能性への探求を行ってまいります。
未来事業委員会では「次代へ繋ぐ明るい観光未来への再考と発見」をテーマに掲げ、既存の継続事業を大切にしつつ、温故知新のスローガンのもと、時流に合わせてその内容を再検討しながらも、青年部らしく!事業部らしく!旅館・ホテルの魅力や素晴らしさを、学生を中心とした次世代の観光人材に広く発信する活動を行ってまいりました。日本学生観光連盟との共同事業「若旦那・若女将密着体験プロジェクト」では、若旦那や若女将といった、いわゆる宿主の生の声や日々の取り組みに直接触れてもらうことで、参加者の業界に対する理解と関心を一層深める貴重な機会となりました。業界のイメージ向上と次世代を担う人材の育成・確保に寄与する有意義な取り組みであったと自負しております。
また、流通部会と共に主管した「第二回宿観光旅博覧会〜宿フェス 2024Ryokan Festival in Tokyo 〜」「第3回宿観光旅博覧会・宿フェス 2025 Sustainable Journey Expo in Tokyo」では、第七回旅館甲子園をはじめ、各種ステージイベントや展示ブースを担当し、カラオケやアニメといったサブカルチャーから華道、茶道、俳句といった日本の伝統文化に至るまで、日本各地が誇る多様な魅力の発信に取り組みました。
次年度も青年部らしく!「宿屋から日本を元気に!」「全ては観光宿泊産業発展の為に!」を合言葉に、組織の枠に捉われることなく、親組合はじめとした宿泊4団体との連携強化を図りながら、オール宿泊観光産業にて業界の地位向上に繋がる事業を展開してまいります。「宿泊観光」を通じて地域や人、食や文化・伝統が一層光り輝くよう、持続可能な観光リーディング事業を行ってまいります。
業界の地位向上なくして未来なし!常に念頭に掲げ、挑戦を諦めない青年部活動を展開しよう!
青年部の枠に捉われない!ALL全旅連での活動を目指した事業や活動を推進しよう!
常に風通しが良く、誰もが活躍し頼られる真に強い組織を創り上げよう!
宿泊観光産業を代表する政策団体を目指し、実の取れる政策活動を展開して行こう!
人・食・文化・自然・伝統など「地域固有の価値」を磨き上げ、護り伝える事の出来る業界を創り上げよう!
宿泊観光を愛する全ての地域・団体・企業と、より強固な関係作りと協働を展開して行こう!
最新の宿泊流通の調査研究!百宿百様!其々の流通戦略の最適解を導き出そう!
宿は人なり!選ばれる業界!働きたい業界!を目指し構造的課題解決を推し進めよう!
「宿屋から日本を元気に!」観光リーディング事業の実施と広報活動を強化推進!世界に向けて伝播させて行こう!
我々をとりまく全てのリスクに対して!しっかりと備えられる強い業界を創り上げよう!
1.観光新時代における青年部組織・事業の再編
2.都道府県部長との連携強化
3.親会委員会等へ積極的参加や協働
4.政策課題への迅速な対応と継続的運動
5.「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録」に向けた全国一斉活動
6.宿泊業におけるSDGsの推進と活用
7.関係省庁との一層の関係強化と協働、異業種との連携による業界の新価値創造や魅力再発見
8.新たな流通システムの研究や構築
9.経営力・人間力向上を目的とした事業の実施
10.労働生産性の向上や次世代人材育成を見据えた「宿の働き方改革」の推進
11.「宿観光旅博覧会(宿フェス)」「旅館甲子園」「宿の日week」等、業界の魅力発信・地位向上を目的とした事業の企画・運営
12.「稼げる産業」を目標とした、各種セミナー、事業の実施
13.自立した組織体制に向けたシステム開発や導入
14.業界の全ての魅力、活動が世界に伝播される広報活動
15.全国災害支援・危機管理ネットワークの構築
今回、部長職を再び拝命することへの躊躇や戸惑い、自身の中での葛藤は本当に大きなものがありました。誰よりも愛する青年部の為に、自身が選択する道は正なのか?それは会の発展、業界の繁栄の為であり、私欲なく忘己利他、滅私奉公に徹する道であるのか?何度も何度も考えました。「青年部がなかったら今の自分は絶対になかった。」冒頭に申し上げた通り、全旅連青年部は私、塚島英太の全てであります。皆様に何度もお伝えしたこの言葉に嘘はつけない。私は自身の信念と心に従い、変革を続ける決心を致しました。
私は一人でも多くの仲間に青年部と出会って欲しいと願っています。ここで出会う仲間達は、地域のリーダーであり、優秀な経営者であり、必ずや何でも相談できる、困った時には助け合える、心友、同志となって貴方を支え、人生を豊かにしてくれます。少しの目的意識と、少しの勇気を出して活動すれば、無限の可能性が青年部には広がっています。
「宿泊観光産業を日本の基幹産業に!」この業界の悲願実現には、全国の宿屋が強い信念を持って活動を展開し、旅を愛する全ての人達と一致団結し、多くの魅力ある事業を展開していく必要があります。そしてまた、宿屋同士が切磋琢磨し共に高め合える組織、なにより変革を推進出来る風通しの良い強い組織であることが必要不可欠であります。この変革は時として今までの“何か”を壊し、傷付けるかもしれません。時にはお叱りや批判の声に晒されることもあるでしょう。しかし、どんな困難な時代も、勇気を持って変化に対応し乗り越えて行く!まさにそれこそが青年部の魂であり、55年もの長きに渡り紡がれて来た、青年部の矜持であると私は確信しております。
私の持てる時間と力、その全てを捧げ、全国の皆様と共に更なる高みを目指してその変革を推し進めてまいります!そして、全国の宿屋の力を結集し、心から愛する「全旅連青年部」と「宿泊観光産業」の真の魅力を全世界に伝播させて行こうではありませんか!
必ずや宿を核とした観光立国・地域創生を成し遂げ、観光の中心で光り輝く「宿泊観光産業」とすべく、私自身が率先して行動し、決して折れることのない志と責任感を持って、その礎となることをお誓い申し上げ、私の所信とさせて頂きます。ご高覧ありがとうございました。